販売データの使い方と進化

 

販売データの使い方はどのように進化してきたか

販売データの利用目的には2つの側面がある

「販売データの利用」といってすぐに思いつくのは「集計」、「加工(グラフやチャート)」、「分析」、「報告資料作成」などでしょう。

そしてこれらの作業は、企業内のあちこちで日常的に行われています。

さらにこれらの作業の目的はというと、「2つの側面」を持っています。

1つは販売、仕入れ、代金の決済など、取引に直結する業務への利用。

もう1つは目標管理や戦略検討・立案など、事業を維持、さらには伸ばしていくための利用です。  

前者には、いかに速く、簡単に作業が行えるかという「効率」が求められます。

もちろんこのことは後者にも要求されるものですが、後者ではそれ以上に、「業績の維持・拡大に役立つか」ということが重要視されるでしょう。  

「競争」という活動の中での「データの出番」はほんの少しかもしれません。それでもその時には、「目的に合った的確な情報がちゃんと提供できているか」を問われます。

ここがデータ活用の最も悩ましいところではないでしょうか。 ここから先は、この「業績向上を追求するデータ活用」を中心テーマとして述べていきます。

販売データのいろいろな蓄積方法

―データベースとデータウエアハウス

  •  トランザクション・データ

販売データの最も基本的なデータは、販売管理システムやPOSシステムから出力される、売上伝票1行1行の情報になります。

そしてこの情報は取引の記録として一定期間保存されます。これを「トランザクション・データ」といいます。(売上の「原始データ」と呼ぶこともある)

このデータには、取引日を始め顧客名・商品名と数量や金額、および顧客や商品の属性情報など、取引に関する多くの情報が含まれています。

従ってこのデータを蓄積してExcelなどの集計ツールを使えば、顧客や商品などの条件を組み合わせていろいろな実績集計を行い、集計表やグラフを作ることができます。  

  • データベース

ところがこの原始データは伝票1行1行のデータですから、何年分も蓄積して分析しようとすると、PCシステムにとても大きなメモリや記録装置が必要になり、かつ集計作業に多くの処理時間がかかってしまいます。

そこで保存するデータの容量を圧縮し、集計処理の時間も短縮できる工夫をした「データベース」が考案されました。

データベースにデータを蓄積するときには、原始データから分析に必要になりそうな情報だけを取り出し、項目ごとに集約してからデータベースに記録していきます。

同時に「後で必要な項目を見つけやすい仕組み」も盛り込みます。

このようにして、データの記録方式と処理時間の改善が進みました。  

  •  データウエアハウス

さてデータベースの普及が進み、データ分析のニーズが高まる中で、分析内容もより詳細なものが要求されるようになってきました。

そして「データベース作成時に項目を削ったり集約したりしたことが、分析の自由度を失わせている」という問題が指摘されるようになりました。

やがてその指摘は「できるだけ元の形に近い状態で原始データを蓄積しよう」という発想につながり、一方で進んでいた「PCシステムの高速化と、メモリや記録メディアの大容量化」と相まって、「データウエアハウス」の出現となったのです。

データウエアハウスは、データを発生順に記録していきます。 そして個々のデータに含まれる情報は元のまま維持され、削られたり変更されたりすることはありません。

ただし後で利用するときにそのデータを見つけやすいように分類され、インデックスのような仕組みが付加されることはあります。

このようにして、原始データをもとに、いつでも自由な分析が行えるようにした「データの倉庫」をデータウエアハウスと呼びます。