データは「気付いてくれ」と叫んでる

様々な視点からデータを集計して見やすい資料を作っても、それを見る人が「へー」で終わってしまったら、データは何も答えてくれない。
そしてこれが3ヶ月も続くと、データそのものの必要性が揺らぎ、手間のかかる集計・報告はいつのまにか脇に追いやられてしまう。

反対に、データから何かを汲み取ろうとして目を凝らす人には、現場では「あたり前」と思われている「悪しき?習慣」をも気付かせてくれる。
 そんな事例を2つ。

「ビールは冬が安い?」

 ある酒販会社の社長さん、営業所ごとの販売状況を見ているとき、どの営業所も冬場のビールの利益率が低いことに気がつきました。
「夏は競争が激しいから利益率は下がっても、冬は高いのではないか」、こう考えた社長は早速営業課長に確認すると、「冬はノルマがきついので、値引き販売していた。」という答えが返ってきました。どうやら現場では暗黙の了解事項として受け入れられていたようです。

「鍋って…」

 居酒屋チェーンの情報システム部でのお話。
その日、経営トップからの指示で、メニューにある料理ごとの売上分析資料が作成されました。方法はクロスABC分析。売上と利益それぞれの貢献度によって商品を分類し、今後の作戦を立てようというものです。
資料ができ上がった後、担当者はさらに何かを調べていました。それは「1番儲かっている料理」について。そしてそれが「ちゃんこ鍋」であることを突き止めた彼は、同時にちゃんこ鍋の売上が3月のピークを境に途切れていることにも気がつきました。
現場に聞いたら、「鍋って、3月まででしょ?」実にあっけない答えが返ってきたそうです。

この2つの事例は、もちろん改善策が講じられましたが、その発端はデータを見る人の「気付き」でした。
ビジネスに関わる人の動きがマンネリ化してくると、その結果である販売データの形もマンネリ化してきます。
したがってデータの中から改善のヒントを見出すためには、「気付こう」とする意識が必要なのです。