データ活用の目的と必要な情報

「販売データを有効に活用したい」というニーズの先にある目的は、いうまでもなく「業績の向上」である。

その道筋の上に「分かりやすい販売(会議)資料」や「拡販策検討や結果の検証に役立つ分析環境」、「効果的な目標管理の方法」などがある。

そのために役立つ販売データには、どんな情報が入っていればよいだろうか。

話を分かりやすくするために、「食品卸売業の会社に初めてやってきたコンサルタント(K氏)」の例で考えてみる。
K氏は社長から「販売を拡大したい」との相談を受けている。

商品コード

K氏はまず、現在どんな商品が売れていて、どんな商品が売れていないのかを知りたいだろう。
なぜなら、売上アップのためには売れているものにより力を入れる方が効果的だからである。
そして、これは販売データに商品コードと名前があればすぐに調べられる。
かくして、個別商品ごとの売上順位表が手に入ったが、実はこれだけでは不十分である。

メーカー  商品分類

 個々の商品はそれぞれ商品寿命があり、最近売れていないのは新商品に変わった結果かも知れないのである。
したがって商品の販売状況を正しく捉えるには、もう少し大きな視点から見ることも必要になり、それに有効なのが「メーカー(仕入先)」、「分類」別動向である。
この分類別動向は、その会社の強みと弱みをかなり正確に表わす指標となり、
最近では原始データに「大分類・中分類・小分類」などの分類情報が入っているものが多い。(現在その情報がない場合でも、がっかりしないでください。何とかなります。以下同じ)

利益・原価

次にK氏は、「儲かっている商品」とそうでないものを分類して、商品ごとの「利益への貢献度」を調べた。
利益を調べるためには、データ中に利益または商品の原価に関する情報が必要になる。
利益は普通、経理的な処理として売上総額から原価または仕入金額の総額を差し引いて求められるが、商品や顧客ごとの収益性を詳しく調べるには、原始データに利益情報が入っていると非常に便利である。

顧客コード

商品の動向が分かってきたK氏は、顧客動向の調査に移った。
販売データ中の顧客コードと顧客名を元に顧客別売上を集計し、さらに上位顧客については、これまでどんな商品が売れたのかを知るために、商品分類レベルで内訳を集計した。
同時に顧客ごとの利益額と、商品分類別の利益額も算出した。
このようにすると、販売内容や利益の状況を顧客ごとに比較することができ、その「違い(この顧客にはなぜこの商品がよく売れているのか、この顧客だけなぜこの商品の利益率が低いのか、など)」を調べることで、改善のヒントを得ることができるようになる。

業種・業態

ここで問題になるのは、たとえば小売店と飲食店では当然必要とする商品は違う、また同じ飲食店でもレストランと居酒屋でも需要は異なるということである。したがって販売内容を比較するには同じ業種(小売業、飲食業…)、同じ業態(レストラン、居酒屋…)で比較しなければならない。

部署コード 地域コード

K氏はこのほかにも地域別の売上や部署別・担当者別に商品の販売状況を調べて、よく売れている商品、顧客、地域、部署、担当者と、そうでないものとを分類した。

担当者

その上で、両者の違いの原因を探るべく社員からの聞き取り調査を開始、成功している事例は他に応用することを促し、苦戦している事例についてはみんなで改善策を検討し実践していくしくみを提案したのである。