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ポートフォリオ

商品や顧客の動きを捉え市場での競争に勝つ

分析対象物をポートフォリオ上に位置づけすると、その「位置」からライバルの動きを想定することができ、ひいては当方の採るべき基本戦略を考えることができます

 

概要

ポートフォリオは右図のように、シェアと伸び率を軸として、地域や顧客の実績値をその交点に円として描いたチャートです。

チャートは4分割され、そのエリア毎に次のような基準に照らして分析します。

「戦略的」な分析手法

「ポートフォリオ」、このことばを聞いたことのある人はすごく多いはずです。 何せ40年前に提唱されて、ビジネス戦略関連のセミナーでは、必ずといっていいほど出てくることばだから。

ところがこのポートフォリオ、意外に使われていないようです。
セミナーなどでポートフォリオを知って、「これだ!」と思う人は多くても、2つの壁に突き当たって先に進めないようです。

ひとつは、ポートフォリオに関する説明・解説が断片的、または概念的なものが多く、基本から応用まで、整理された知識として習得しにくいこと。
もうひとつはポートフォリオ分析に使うチャートを、「手」で描くのが大変なこと。

この二つの理由で、「使いたくても使えない」ことが多いようです。

そうはいってもこのポートフォリオ、「競争に勝つためのヒント」を分かりやすく示してくれる、非常に「戦略的」な分析手法なのでゼロから書き進めてみます。

なぜ、ポートフォリオは「戦略的」だといわれるのか?
実はポートフォリオは元々、「投資家」が投資対象物のバランスを点検するためのチャートを意味していました。そして「ポートフォリオ」ということばは、投資家が財産目録を挟みこんでいる「紙ばさみ」からきています。

投資対象物の選択にあたっては、「リスキーだが当たればデカイ」ものと、「リスクは小さいが見込み利益も少ない」ものとのバランスを考えなければなりません。

そこで、右図のようにリスクと利益を軸にとったチャート上に投資対象物を配置して、全体のバランスを点検しようとした。これがポートフォリオです。
このように、ポートフォリオは「投資」の世界から来ています。 したがってポートフォリオでネット検索すると、証券会社のページがたくさん出てくるのです。

寄り道をしてしまったが、このポートフォリオを販売戦略に応用したのがボストン・コンサルティング・グループ(BCG)。
何のために・・・ 40年前、日本企業が「安さ」を武器に、米国への輸出シェア拡大に走っていたころ、それを迎え撃つゼネラル・エレクトリック(GE)社の戦略として、BCGが提案したのです。
その骨子は、自社の事業(製品)のシェア(強みと弱み)、市場における成長度合いを表示したチャートをもとに、それぞれの事業ごとに競合状況を整理し、それに見合った戦略を検討しようとするものでありました。

この経緯からも分かるように、ポートフォリオは「競争」を明確に意識して、それに「勝つ」ための分析手法として位置づけられるのです。

ポートフォリオ上でライバルの動きを想定しよう

ポートフォリオには、「金のなる木」とか、「負け犬」、「勝ち負けを決める線」などのことばが出てきますが、これらはみな「競争」を意識したことばです。

商品(またはビジネス、以下同じ)には常に「ライバル」がいて、競争があります。
現在自社が取り組んでいる1つ1つの商品、そのどれをとっても、必ずライバルがいるはずです。

そのライバルは、存在がはっきり見えている場合もあるし、見えていない場合もあります。
また、こちらのシェアを奪おうと、ひそかに画策しているかもしれないし、これから参入しようとして、こちらの動きをじっと見ているかもしれません。
このような市場で個々の商品戦略を組み立てていくには、当然ライバルの動きを計算に入れていかなければなりませんが、思い思いに動いているライバルの状況を把握することは、そう簡単には行きません。

ところが、一見バラバラに動いているように見えるライバルの動きを整理して、戦略検討の材料にするよい方法があります。
それはライバルの動きを調べるのではなく、ライバルの動きを想像する方法です。

たとえば、当方のある商品Aが今市場で大きな成長率を実現しているとすれば、ライバルは皆、A商品への参入を企てようとすると 考えられます。
たとえば、当方が商品Bのテレビ宣伝を始めたら、ライバルは当方の「シェア拡大戦略」を嗅ぎ取って一斉に対抗してくるでしょう。(最近のテレビコマーシャルを見ても、ランドセル、パチンコ、法律事務所などの例にそれを見ることができます)
また、今まで市場になかった商品を当方が始めたなら、ライバルはそれをウオッチし、「行ける!」と感じた時点で参入してくるでしょう。

このように、当方の商品の「市場における位置づけ」をはっきりさせられれば、それに対するライバルの動きを想定することができるのです。

そこでポートフォリオ。

ポートフォリオは、個々の商品の「強み」と「弱み」、そしてライバルとの競争関係を考慮した戦略を考えるための、たいへん優れた分析環境を提供してくれる手法です。

ポートフォリオでは、当社の商品の「市場における位置づけ」を確認するために、その成長度合い(前年比)と市場シェアを軸にしたチャート上に、個々の商品をその成長率とシェアに応じた場所に配置して考えます。
このようにすれば複数の商品の市場における位置づけがよくわかります。
このチャート上で、たとえばシェアが大きくかつ伸びている商品は、魅力的であるがゆえに、ライバルから見ても気にならないはずはありません。
もしライバルがこの商品でそれなりのシェアを持っているならば、真っ向から対抗してくるはずです。
もしライバルが「金持ち」で、この商品にまだ参入していなければ、力ずくで参入してくるかもしれない。

このようにポートフォリオ上では、個々の商品が配置された「位置」が、その商品の競争状態とライバルの動きをも示唆してくれるのです。

なお、実際の分析に当たっては、前述した「成長率」と「シェア」のほかに、次の点も考慮すればより確度の高い判断ができます。

  1. その商品は今まで市場になかったものか、すでにポピュラーなものか
  2. 成長率とシェアは今後どちらに向かって変化するであろうか?
  3. 当方の動き(拡売策)をライバルはどう見るであろうか?